― インスタグラムが乗っ取られた女の一週間 ―
📅【Day 1:不審なログアウト】
いつも通り、仕事帰りの電車でスマホを取り出し、Instagramを開こうとした。
…が、なぜかログアウトされていた。
「おかしいな…」
いつも自動ログインしているのに。とりあえずログインし直そうとする。
だが、パスワードが間違っていると表示される。
再設定を試みるが、メールアドレスを入力したところで固まった。
「このメールアドレスは存在しません」と。
── その瞬間、心臓がギュッと縮まった。
📅【Day 2:誰かが私になりすましている】
翌朝、LINEに複数の通知が届いていた。
「○○ちゃん、インスタのアカウント変なことになってるよ!」
「投資の話なんてしてたっけ?」
「ストーリー、ヤバくない?」
慌てて別アカウントで自分のプロフィールを見にいく。
そこには見覚えのないビットコイン投資の広告と、仮想通貨勧誘DMのスクショ。
ストーリーには、彼女自身の顔写真と一緒に、勤務先のタグまでつけられていた。
「待って…どうして職場の名前まで……?」
自分が自分でなくなる。
しかも、その偽アカウントが“堂々と私として活動している”という異様な状況に、膝が震えた。

📅【Day 3:じわじわと侵される日常】
信頼していたSNSが、今や敵の道具になっている。
会社では上司に呼び出され、「これ、君の投稿なのか?」と聞かれた。
違う。絶対に違う。
でも画面に映るのは、明らかに“私のアカウント”で投稿されたものだった。
公式サポートには連絡済みだが、自動返信メールしか来ない。
その間にも、乗っ取り犯は私のアイコンと名前を使ってフォロワーにDMを送り続けていた。
「完全に、私は“自分をコントロールできなくなった”んだ。」
📅【Day 4:侵入口を突き止める】
眠れない夜を過ごし、ふと思い出した。
以前使っていた画像加工アプリ。最近レビュー欄に“乗っ取られた”という投稿が増えていた。
急いで過去の連携アプリ一覧を調べると、そのアプリがまだInstagramと連携されていた。
つまり――そこから情報が抜かれた可能性が高い。
ログイン履歴を見ると、トルコ、シンガポール、ロシアなどの地域からのアクセス履歴。
私は一度も行ったことがない場所ばかりだった。
📅【Day 5:助けを求めて】
Instagramのサポートへ、状況証拠をすべてまとめて再送した。
・スクリーンショット
・被害の時系列
・友人から届いたDMの証拠
・怪しい連携アプリの情報
祈るような気持ちで送信ボタンを押す。
すでに心は擦り切れ、食事も喉を通らない。
でも、今止めたら私という存在がSNS上から書き換えられてしまう。
📅【Day 6:反撃の準備】
私は一つ一つ、やれることを潰していった。
・Googleアカウントの二段階認証を設定
・LINEやAmazonのログイン履歴も確認
・全サービスのパスワードを個別に強化
自分のデジタルライフを、一から守り直す作業。
面倒だけど、もう二度と、誰にも触らせたくない。
📅【Day 7:帰ってきた私】
朝、Instagramからメールが届いた。
「本人確認が取れました。アカウントの復旧が可能です。」
その一文を見た瞬間、涙が止まらなかった。
一週間ぶりに、あのフィードが戻ってきた。
すぐに全ての投稿を削除し、パスワードを再設定。
ストーリーでフォロワーに謝罪と、経緯を説明した。
「ご迷惑をおかけしました。あの投稿は、私じゃありません。」
🧠【この一件で学んだこと】
乗っ取られること自体も怖い。
でも一番怖いのは、自分で何もできない状態になること。
「私の顔」「私の名前」「私の信用」が、見ず知らずの誰かに利用されてしまう恐怖。
今、笑ってSNSを使えることが、どれだけ当たり前じゃないか。
それを一週間かけて思い知った。
あなたも、今日からパスワードを見直して。
二段階認証を設定して。
自分を守るのは、自分だけだから。